・「のし紙」とも呼ばれるこの紙は、正式には「掛紙」と言います。
・現在はほとんどの場合「印刷掛紙」を使用していますが、掛紙に印刷されているものひとつひとつに意味があります。
・正式に掛紙をかけるには、奉書紙または杉原紙という和紙に、まず、どのような意図で贈るのか、さらに言えば、先様にどのような気持ちを伝えたいのかを、自書します。これを「表書き」と呼びます。
・印刷掛紙では、ご用途によって、すでに印刷されている「御祝」「内祝」「御礼」「志」などから選べば良いのですが、本来は、「ご結婚おめでとう」などと自分の言葉で書いても良いのです。
・そして、贈り主が署名します。これでとりあえず掛紙の基本形が完成です。短い手紙と考えても良いでしょう。
・真ん中で結ばれている紐を「水引」と言います。和紙を水糊で固めたもので通常5本を束ねて結びます。
・水引には非常に古い歴史があり、贈り物が穢れないよう、願いが成就するようにと結ばれました。
・結び方は二種類あります。結ぶ人(贈り主)の願いがこもっているのです。
1.何度くり返しても良いことに贈るとき・・・「花結び」 ※蝶結びです。何度もほどいて結ぶことが出来ます。
Ex.慶事(結婚をのぞく)や、日常のおつきあい全般に。
2.何度もくり返したくないことに贈るとき・・・「結び切り」 ※一度結んだらなかなかほどけません。
Ex.弔事、結婚、病気や怪我の御見舞に関することに。
・本数は5本、7本、10本などがありますが、多いほうがやや重く受けとめられているようです。
・結婚に関する進物には、夫婦を一対と考え、お目出度い数の五対つまり10本にして、結び切りにします。これを「夫婦水引」「夫婦結び」と言います。
・右上に付いている六角形の不思議な形をしているものが「のし」です。
六角に見えるのは包み紙で、実はその中に包まれている細長いものが「のし」。正体は「のしアワビ(鮑)」です。アワビを薄くそぎ落とし、のばした干物なのです。
・アワビは古代から海の幸として神饌(神様へのお供え)に使われてきました。それが武家の作法に取り入れられ、進物の品に添えられるようになりました。現在では、家運伸張、延命長寿のシンボルとして掛紙や祝儀袋に残っています。
・そのような意味のある「のし」ですから、弔事、病気や怪我の御見舞には付けません。
・また生ものを贈るときも、生ぐさが重なるため付けないのが原則ですが、お中元やお歳暮の掛紙には掛紙を外箱にお掛けすることでお許しいただき、付いています。
・短冊は掛紙と比べると略式です。とりあえず紙片に表書きと署名をしましたという意味です。あまり堅苦しくしたくないとき、御見舞などの急な用途に使われています。
・リボンは親しいかたへのプレゼントや、堅苦しくしたくないとき、また洋風に差しあげたいときに使われます。
・ですから、掛紙をかけた上にリボンを結ぶことは和洋折衷になるため、どちらか一つにするべきでしょう。
・いずれにしてもお届けする心は同じ。先様との間柄やご用途、贈り主のセンスなどで使い分けてはいかがでしょう。
・水引の色には紅白、黒白、黄白、金銀などがあり用途により使い分けられています。
1.紅白・・・赤には魔除けの意味があり、白は神聖な色といわれています。
慶事や日常のおつきあい全般に幅広く使われています。
2.金銀・・・用途は紅白と同じです。「高貴なかたに高価なものを贈る」ときに使われてきました。現在では結納や結婚、高額な進物などに使われています。
3.黒白・・・弔事全般に使われます。最近は銀色の「双銀」も使われています。
4.黄白・・・関西を中心とする西日本で弔事全般(忌明け以降)に使われます。
・弔事の掛紙や挨拶状などは薄墨で書かれるのが一般的です。
・「墨が涙で薄まった」「墨を濃く磨る間もなく駆けつけた」と言われますが、実は薄墨は、日本の伝統的な喪を表わす色、「鈍色(にびいろ)=青味がかった灰色」が起源です。
・また和歌山県や岐阜県の一部などでは内祝の掛紙を朱墨(朱色)で書く地域もあります。
・長寿のお祝いのひとつ、還暦(数え61歳、満60歳)は生まれた年と同じ干支に戻ることから、赤ちゃんに戻るとも言われ、昔は、魔除け、厄除けの意味のある「赤色」のちゃんちゃんこや頭巾を贈るならわしがありました。
・このように長寿には、「古稀(こき・70歳)」・「喜寿(きじゅ・77歳)」は紫、「傘寿(さんじゅ・80歳)」・「米寿(べいじゅ・88歳)」は金茶、「卒寿(そつじゅ・90歳)」・「白寿(はくじゅ・99歳)」は白、といったシンボルカラーがあります。
・年齢よりやや若向きの、シンボルカラーの衣類や洋品小物などを差しあげるのも喜ばれます。
・西洋では、死は暗黒(黒)で表現されます。
・それまでの日本の喪服は、神聖な色とされる白や鈍色(にびいろ・青味がかった灰色)でした。
・「喪服は黒」の伝統は意外に新しいのです。
・中国古来の陰陽説から、数にも陽(吉)と陰(凶)があります。
1.陽(吉)の数は、一、三、五、七の奇数。九は「苦」としてあまり使われないようです。
また八は偶数ですが、「末広がり」として使われます。
2.陰(凶)の数は、二、四、六、などの偶数。とくに四は「死」としてあまり使われないようです。
・慶事には陽(吉)数を、と考えるのが一般的です。
・日本の伝統的な年齢の数え方が「数え年」です。
・数え年では、生まれた時を1歳と考え、あとはお正月が来るたびひとつ年をとっていきます。
・数え年の計算方法は、その年に満年齢で何歳になるのか(又はなったか)に1歳プラスすれば良い訳です。
・伝統的には慶事も弔事も数え年をもとに行われてきましたが、現在では満年齢で行われることも多くなりました。
・掛紙を短い手紙と考えるなら、表書きは本文です。
・本来は、先様に伝えたい気持ちや言葉を自分で書いたのが原点です。
・もし表書きを迷ったら「自分がそのかた(先様)に何と言ってお渡ししたいのか?」を思い出して下さい。 「○○おめでとうございます」なら「御祝」、「ありがとうございました」なら「御礼」や「内祝」・・・。 もし一般的な表書にぴったりのものが無かったら、「祝敬老の日」としても良いですが、「お祖父ちゃん、いつまでも元気でね」などと書いても良いのです。
・古来、日本では言葉には霊的な力が宿っていて、良い言葉を発すると良いことが起こり、不吉な言葉を発すると悪いことが起こると信じられてきました。
・例えば、結婚関連では「別れる」「切れる」「帰る」「壊れる」「離れる」など。弔事の関連では「また」「再三」「たびたび」「重ね重ね」「かえすがえす」などを「忌み言葉」と言い、使わないのがマナーです。
・挨拶や会話で気をつけましょう。
・ご用途にそった色々な金封(祝儀袋や不祝儀袋)が販売されていますが、自分で包むことも出来ます。
・中包を作り、さらに外包みするのが正式です。
1.中包は半紙を使用し以下のように包みます。
(この包み方は風呂敷や袱紗と共通ですので、覚えておくと便利です。)
●中包み(ふくさ包み)
2.外包は奉書紙や檀紙を使用し以下のように包みます。
●外包み(たとう包み)
・これらの折り方は礼法のひとつで、陰陽説からきていると言われています。
・折る順番は「左(陽)が先、天(陽)が先」と覚えておくと良いでしょう。
・百貨店などで行われている対角線包装(斜め包み)も「ふくさ包み」の応用です。
・商品を縦にして見ると、「左が先、天が先」となっていることがわかります。
●対角線包装
・金封は袱紗に包んで持参するのがマナーです。
・慶事には赤系の明るい色のものを、弔事には紺や濃い紫を使います。
紫は慶弔両方に使用出来ますので一枚用意しておくと便利です。
・袱紗の包み方は、前述の金封の中包みと同じです。
●袱紗
・風呂敷は、かつては、ちりよけ・持ち運び用の言わば万能バッグでした。丁寧な進物は風呂敷に包んで持参したいものです。包みをほどいて、品物を正面にむけて(先様が表書きが読める向きにして)お渡しします。
・百貨店などの手さげ袋(ショッピング・バッグ)ごとお渡しするのは失礼です。
品物は袋から出し、お渡し(向きは風呂敷のときと同じ)します。袋は折りたたんで持って帰ります。
・風呂敷の包み方は色々ありますが、もっとも一般的な「平包み」は、前述の金封の中包みと同じです。
・品物を縦にして見ると、「左が先、天が先」となっていることがわかります。
●風呂敷(平包み)
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